GLP-1受容体作動薬
作用機序
GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は消化管ホルモンの一種です。
①食物摂取により、②腸管から分泌され、③膵インスリン分泌をブドウ糖濃度依存性に増強させる因子インクレチンの1つです。その他の作用として、④胃からの食物排泄を遅延させる、⑤膵グルカゴン分泌の抑制、⑥脳へ働きかけ食欲を抑制するといった作用があります(下図)。以上より、血糖値を下げる効果はもちろんのこと、体重を減らす効果もあります。
また、大規模臨床試験では、心血管や腎臓への保護作用も報告されており、海外では心血管疾患や慢性腎臓病、心不全を患っている患者様だけでなく、そういったリスクが高い患者様にも積極的に使用することが推奨されています。
ただ、生理的なGLP-1はDPP-4という酵素によって瞬時に分解されてしまいます。GLP-1受容体作動薬は、DPP-4に対して抵抗性を有する構造を有しているため分解されにくく、現在、注射剤としてエキセナチド、リラグルチド、リキシセナチド、セマグルチドなど、毎日打つ製剤、週1回打つ製剤、インスリンとの合剤など多くの種類があります。GLP-1受容体作動薬の使用経験は豊富であり、ご希望の方はいつでもお気軽にご相談ください。
現在発売されているGLP-1受容体作動薬
一般名:エキセナチド
商品名 | |
---|---|
バイエッタ(アストラゼネカ) | バイエッタ皮下注5μgペン300 バイエッタ皮下注10μgペン300 |
ビデュリオン(アストラゼネカ) | ビデュリオン皮下注用2mgペン |
一般名:リラグルチド
商品名 | |
---|---|
ビクトーザ(ノボノルディスクファーマ) | ビクトーザ皮下注18mg |
一般名:リキシセナチド
商品名 | |
---|---|
リキスミア(サノフィ) | リキスミア皮下注300μg |
一般名:デュラグルチド
商品名 | |
---|---|
トルリシティ(日本イーライリリー) | トルリシティ皮下注0.75mgアテオス |
一般名:セマグルチド
商品名 | |
---|---|
オゼンピック(ノボノルディスクファーマ) | オゼンピック皮下注0.25mgSD オゼンピック皮下注0.5mgSD オゼンピック皮下注1.0mgSD |
リベルサス(ノボノルディスクファーマ) | リベルサス3mg リベルサス7mg リベルサス14mg |