蛋白尿・頻尿・血尿

頻尿

頻尿と多尿はよく似た言葉ですが、多尿とは1日の尿量が3Lをこえることをいいます。頻尿は尿量は多くないですが、回数の異常がある場合で、一般的には朝起きてから寝るまでの排尿回数が8回以上の場合をいいます。
日中、夜間(夜間頻尿)、またはその両方で、夜間に多いかどうか判断するためには排尿日誌(夜間尿量÷24時間尿量×100が33以上で夜間頻尿)をつけることが重要です。頻尿の原因として多いのは、過活動膀胱、尿路感染症、50歳以上の男性であれば前立腺疾患(前立腺肥大症など)が多く、夜間頻尿の場合は睡眠時無呼吸症候群高血圧、腎不全などが挙げられます。
過活動膀胱とは、膀胱に尿が十分に溜まっていないのにも関わらず、膀胱が自分の意思と関係なく勝手に収縮する病気で、急に尿がしたくなり我慢できず(尿意切迫感)、間に合わずに漏れてしまうこともあります(切迫性尿失禁)。
原因は多岐に渡りますが、加齢、脳卒中、パーキンソン病、前立腺肥大症などが挙げられます。OABSS(Overactive Bladder Symptom Score)という質問票がありますので、頻尿が気になる方は一度お試しください。

蛋白尿

蛋白尿は、病気をお持ちでない方でも陽性になることがあり生理的蛋白尿と呼びます。原因は、起立性蛋白尿、過度な運動、発熱、ストレス、蛋白質の過剰摂取などの可能性があり、起立性蛋白尿の場合は、早朝尿の蛋白を調べることが重要です(早朝尿は陰性、外来での尿は陽性となります)。生理的蛋白尿が否定された場合、下記の4つの原因が考えられます。

血液中の老廃物や塩分を濾過する腎臓の糸球体というところに異常がある場合で、糖尿病腎症、慢性腎炎、高血圧による腎硬化症などが挙げられます。

糸球体でろ過された尿のうち必要なものを再吸収する尿細管というところに異常がある場合で、間質性腎炎、薬剤性などが挙げられます。

血中に増加した蛋白が尿細管で再吸収しきれずに尿中に漏出したもので、骨髄腫などの血液疾患、筋肉が壊れる横紋筋融解症などが挙げられます。

膀胱炎とか尿路の腫瘍などで尿に血液が混入した結果、尿蛋白が陽性になる場合です。

蛋白尿の確定診断の進め方

臨床検査のガイドラインJSLM2015より引用

血尿

血尿は、病気をお持ちでない方でも陽性になることがあります。健康診断の時に使用する試験法だけでは鑑別できないため、尿沈渣という検査法で1視野あたりに35個以上の赤血球を認める場合を血尿と定義します。

血尿の評価方法

臨床検査のガイドライン JSLM2015 より引用

試験紙法で陽性、尿沈渣で陰性の場合、発作性夜間ヘモグロビン尿症などの時に見られるのがヘモグロビン尿、筋組織が急激に破壊されたり、ハードな運動をした後に出るのがミオグロビン尿です。
試験紙法、尿沈渣ともに陽性の場合は、下記のように3つに分類されます。

糸球体性血尿::糸球体腎炎や血管炎など

非糸球体性(尿路性)血尿:膀胱炎などの炎症性疾患、尿路結石、膀胱がんや前立腺がんなどの腫瘍性疾患、嚢胞腎など

いずれの場合もありえるもの:尿細管・間質性腎炎、凝固異常など 

上記の疾患に当てはまらず原因不明の場合もあります。その場合、40歳以上であれば悪性腫瘍の可能性を疑い定期的な検査が勧められます。

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